■幸せの帰る場所 第3幕 〜姉の想い〜 |
|
−父と燈子、息を切らせながら登場− |
|
父 |
咲子!! |
|
咲子 |
お父さん!? |
|
父 |
咲子!お前がここ最近ずっと学校に来てないって、電話があったんだ。ずいぶん探したんだぞ。ピーちゃんが見えたからまさかと思って・・・・まったく、心配させて!! |
|
咲子 |
お父さん・・(思わず父に近づこうとする) |
|
燈子 |
咲子さん! |
|
咲子 |
(ビクッとなり、身動きが取れなくなる) |
|
燈子 |
学校サボって何してるのかと思ったら、デートだったのね。こんなところでこそこそと・・・恥ずかしいと思わないの?あなたの「お付き合い」のせいで、私まで引きずり回されたじゃない。いい迷惑だこと!! |
ムカっとする光輝 |
父 |
燈子、よさないか!!・・・・さあ、咲子。帰ろう。 |
|
咲子 |
(無言で首を振り、後ずさろうとする。震えている) |
|
父 |
ほら、(咲子の手を取りながら)咲子はおりこうさんだろう?さあ、家に帰ろう。 |
|
咲子 |
嫌・・・・!(手を振りほどく)あんな家、私の帰る場所じゃない!! |
|
父 |
咲子! |
|
咲子 |
お父さん、どうして何も訊いてくれないの!?いつも、いつも見ないふりして、聞こえないふりして!お姉ちゃんの時もそうだった。私たちが何言っても、困った顔をするだけで全然取り合ってくれなかった!ねえ、お父さん、私はここにいるんだよ!?ちゃんと見て、ちゃんと聞いて!!そんな女の話ばっかりきかないで!! |
|
父 |
咲子!!・・・・・燈子を悪く言うんじゃない。お前の、お母さんじゃないか。 |
|
咲子 |
・・・お父さん・・・・!! |
|
|
−ふらふらと後ろ向きに舞台の縁に近づく咲子。その手を、光輝が掴む− |
|
光輝 |
逃げよう!! |
|
咲子 |
えっ!? |
|
父 |
何だね、君は!! |
|
|
−咲子達を捕まえようとする父。その父に、ピーちゃんが襲いかかる− |
鳴き声 |
父 |
うわぁっ! |
|
燈子 |
どうしたの、あなた!?キャー!何!? |
|
|
−その隙に舞台の隅へ逃げる光輝と咲子− |
|
光輝 |
行こう、咲ちゃん!姉さんが帰りたかった場所は、きっと、君が幸せでいることろだから!! |
|
|
−呆然とする父&燈子をおいて、二人退場。ライトC.O.− |
|
戻る |
台本TOPに戻る |
進む |