■幸せの帰る場所 第4幕 〜幸せの帰る場所〜
−舞台中央に咲子スタンバイ。舞台端、幕前右に光輝。左に咲子の父−
−光輝にスポットライト−
光輝 (正面を向いて)あれから、一週間が過ぎた。咲ちゃんを連れてきた時、父さんも母さんも驚いていたけど、とても嬉しそうに迎え入れてくれた。咲ちゃんは今、姉さんが使っていた部屋で生活している。
−咲子にスポットライト−
咲子 そんな私のもとに、小包が届いた。差出人は、お父さん。
中には、洋服と、勉強道具と通帳に印鑑。そして・・・・手紙が一通。
−父にスポットライト−
咲子へ。
あの時、父さんは初めて咲子の本当の声を聞いた気がします。
父さんは、咲子は何も言わない、我慢強い子なのだと思っていました。
でも本当はあんな風に、心の中は言葉で一杯だったのですね。
今まで、気付かないふりをして、ごめんなさい。
咲子に言われて、父さんはやっと、燈子と分かれる決心がつきました。
そして、誰よりも、お前たちを愛していること。本当に失いたくないものは何だったのかということ・・・・本当は、みのりお姉ちゃんを手放す前に、気がつけばよかったと、今頃になって後悔の念で一杯です。
父さんは、いつも、咲子の幸せを願っています。
いつかまた、皆で笑って暮らせる日が戻ってくると信じながら。
−光輝と父、中央に歩み寄りながら−
光輝 こうして、少しずつ時が動き出した。
幸せだった頃へ。
咲子 そして、幸せな未来に向かって。
−三人、中央のスポットライトに納まる− 鳴き声
三人 (空を見上げて)お帰り、姉さん!! END
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