■暖かい夢の物語  7       
−一生懸命火を消したり、病人を火から遠ざけようとする彼。火は益々大きくなっていく。客席を向きながらがくっと膝を突いて、泣き出す彼−
ああ・・・あああああ!!どうして!?どうして!?皆、生きたいのに!皆、大好きなのに!僕は、何も出来ないの?神様、助けて!僕、何でもしますから・・・・神様っ!! 炎の音が小さくなる
−ふらふらと立ち上がり、彼に近づく奥さん。彼を、ぎゅっと抱きしめる−
神様・・・
奥さん もういいのよ、あなた。神様は何もして下さらないわ。
・・・でも、僕、ほかに何も出来ません・・・・
奥さん いいえ、いいえあなた。あなたにしか出来ないことがあるわ。神様にも出来ないことよ。
僕にしか出来ない・・・?
奥さん (頷いて)逃げて下さい。
(はっ、として何か言いかける)
奥さん どうか、生きて下さい。
(首を必死に横に振る)嫌です!!僕は皆置いて行けません!僕は、皆と一緒がいいです!!
奥さん 私の血も、皆の血も、あなたの血に混ざっています。あなたの中で、私達は生きていけます。・・・どうか・・・あなたの中の私達まで、殺さないで・・・・!!
・・・・・・・・!!
−いつの間にか、二人を囲むように集まっている村人達−
村人達 生きましょう。ずっと、ずうっと、生きましょう。 皆、微笑んでいる
皆・・・
−再び炎の音が大きくなり、ライトF.O.炎の音もゆっくり小さくなり、消える− 全員退場
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