■暖かい夢の物語 6 | ||
-舞台袖から役人が数人登場。手には松明。腰には剣を下げている。スポットライト。− | ||
役人1 | これは一体どういうことだ。 | 役人1は団長。 役人2は副団長。 役人3は斥候。 役人4は新米。 みたいな役回りで。 |
役人2 | この村の人間はどこへ行ったんだ?いるのは家畜ばかりで、人っ子一人いないじゃないか。 | |
役人3 | 団長!向こうに大きな屋敷があります。窓が全部塞がっているところをみると、きっと病人どもがいるに違いありません! | |
役人1 | うむ。しかし、単に集会でもしているだけかもしれん。確認しよう! | |
役人達 | そうしましょう。 | |
−ゆっくりと幕が開き始める。うめき声や子供の泣き声が小さく聞こえる− | ||
役人2 | それにしても不気味な屋敷だな・・・ | |
役人1 | しっ!何か聞こえないか? | |
−うめき声&泣き声− | ||
役人2 | まさか、これがいるんじゃ・・・(幽霊の手つき) | 役人達は舞台の左右に自然に分かれ、中央を空け、ドアを開けるところからは観客に背を向ける |
役人4 | ひい!やめて下さいよ!俺、そういうのダメなんですから! | |
役人2 | でなきゃ化け物だ。化け物が村人を1人残らず食っちまったのさ。 | |
役人4 | やめて下さいってば! | |
役人1 | よさないか! | |
役人3 | ここです。この部屋から物音がします。 | |
役人1 | よし、開けろ。 | |
−ドアを開ける音と共に、徐々に大きくなるうめき声&泣き声− | おおげさなくらい | |
役人1 | 何者だ! | |
−役人1の声と共に、ピタッと声が止まる。静寂。スポットライト(出来れば青色系)が村人の首に噛み付いている彼を照らす。ゆっくりと村人を寝かせて立ち上がる彼。その姿は血まみれ− | 物音一つしない静寂。彼を出来るだけ不気味に、美しく見せること | |
役人4 | ひ・・・・ひいっ!!ばばば化け物だっ!! | |
−ゆっくり手を伸ばしてふらふら役人に(客席に正面から)近づく彼− | ||
役人1 | 近寄るな・・・こっちに来るな、化け物め!! | |
彼 | ・・・待って・・・・ | |
役人2 | 火だ!火を放て!! | |
彼 | 待って!! | |
役人達 | うわーーーー!!(役人達、走って退場) | |
−ライトO.N(オレンジか赤色で、炎が揺れている感じを出す)。 炎がゴゴーッと燃えているような効果音を入れる。 舞台袖からは役人達の悲鳴や、「燃やせー!」や「殺せー!」という声。 子供達は泣き喚き、大人達はぐったりしながら子供を抱きしめる− |
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