■暖かい夢の物語  3       
−彼のスポットライトが消えると同時に、神父にスポットライト−
神父 ある時、彼は1人の娘さんに恋をしました。 奥さんにスポットライト
−奥さん、客席に背を向けて椅子の上に立って、木の枝の巣に小鳥を乗せようとしている演技。もう一方の手には花が沢山入った花かご。どうも手が届かない様子− ピーピーという小鳥のさえずりがあると良い
−彼、どこからか椅子を持ってきて彼女の斜め後方に立ち、手を伸ばし彼女の手から小鳥を受け取って、巣に戻す演技−
はい!これでもうだいじょう・・・・ぶ・・わあっ!!
−彼、バランスを崩し椅子から落ちる。この時、奥さんも巻き込んで、二人で倒れこむ。花かごから盛大に花が飛び散るのが理想−
ごごごめんなさい!怪我はない?!痛かったよね?どうしよう!
−おろおろとする彼。奥さん、身を起こして彼を見ると明るく大笑いする。一瞬、ぽかんとする彼だが、つられて笑う−
−笑いが一段落したところで、二人立ち上がって見つめ合う。彼、床に散らばった花を一輪手にとって、両手で奥さんに渡す。奥さんも両手で受け取る−
(正面を向いて)とてもとても美しい娘さんです。髪も、眼も、肌も、どんな絵よりも綺麗な娘さんですが、僕が一番美しいと思うのは、娘さんの優しい心でした。
奥さん (正面を向いて)私も彼が好きでした。きれいで優しくて、素直な彼が大好きでした。
−二人、手を取って舞台の中央に−
彼&奥さん 私たちは永遠の愛を誓い、結婚することにしました。
−二人、向き合って手を握り、一時停止。その間に村人全員登場。スポットライトに入らないように。−
神父 しかし、60と3人の村人達はとても心配しました。なぜなら、娘さんはいつか死んでしまうけれど、彼はずっと、ずうっと生きるので、きっと哀しい思いをすると思ったからです。
村人4 (神父の左隣に立って)でも、二人は固く固く愛を誓い合っていたので、私たちは心配するのをやめました。
村人5 (神父の右隣に立って)代わりに立派な結婚式を用意して、60と3の心からの祝福をプレゼントすることにしました。
村人全員 おめでとー!!
−ライトC.I. 村人達、盛大に祝う。クラッカーを鳴らしたり、音楽を奏でたり、紙ふぶきを散らせたりしてもいいかも。とにかく楽しく−
−彼&奥さん、神父の前に来て礼をする。神父もそれらしいことを。村人の方を向く二人。村人が1人ずつ二人の前に来て、お祝いの言葉を言って退場していく。その間、他の人はずっとワイワイやっておく事。最後に神父が十字をきって去っていく。
二人にスポットライトを残して、ライトF.O
再び中央に来て、向かい合って手を握る二人。しばらく間をとる−
結婚式の夜、僕は奥さんにあるお願いをしました。
−二人、向かい合い膝をつく−
ほんの一口、血をください。(驚く奥さん)そうすれば、僕の中で血が混ざり合って、あなたはずっとずうっと、僕の中で生きて行けるから。
奥さん ・・・・・・
(泣きそうな顔で)ダメ・・・ですか・・・?
奥さん (首を振って)いいえ、いいえ。それであなたと一緒に生きていけるのなら、あなたが寂しい思いをしなくてすむのなら、私は、嬉しい。
−少し見つめ合った後、彼が奥さんの肩に手を置いて首から血を吸っている演技でライトF.O− 幕を下ろす
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